乗鞍ヒルクライムへの道(仮)

Rule#32:Enjoy the Little Things.

20170903_佐渡国際トライアスロンAタイプ(Swim:4km&Bike:190km&Run:42km)

f:id:ogawork123:20170908011905j:image

佐渡国トライアスロン当日。朝3時起床、3時半朝食、4時宿出発、5時トランジション、バイクを設置して(みかんを入れるような)カゴに荷物を入れる。そして受付を済ませて計測用のアンクルバンドを受け取る。不安はあるけど緊張はない。ウェットスーツを着てスタートに備える。海岸にはたくさんの参加者、スタッフ、応援の方々。大会の規模の大きさがうかがい知れる。ドローンも飛んでいた。これから泳ぐ海の方に目をやると風もなく水面も穏やか。結果はここに立つまでに大体は決まってる。今あるもので勝負して、これから起こる様々なことに上手く対処しながらゴールを目指す。少なくとも自分にだけ負けなければどんな結果であっても負けることはない。そんなシンプルだけど難しい世界がロングディスタンスのトライアスロンだと思う。全力で楽しまないと望むような結果はきっと出ない。やれるだけのことしかできないと思えば気は楽だし、それならどのくらいやれるのだろうかという前向きな気持ちも生まれる。程良い期待感の中、まずは第1種目のスイムがスタート。

スイム

佐渡のスイムコースは遠浅。しばらくは歩いて進み、深くなってきてから泳ぎに切り替える。ロングなので我先にという感じも少なくゆったりとした泳ぎ出しという印象。ただ人数が多いので他の参加者との接触は結構ある。なるべく泳ぎやすいように位置を少しずつ変えながら1周2kmのコースを2往復する。浅瀬では海底が見えて何だかシュノーケリングをしているような気分になった。3種目で考えるとまだまだ先は長いのでここで急ぐ必要はない。なるべく遠くに入水して長く減り張りをつけてストロークすることとヘッドアップの回数を減らすことを意識してマイペースに泳ぐ。後半、ウェットスーツ擦れが気になり出したのと疲れでややペースが落ちたけど、なかなか良い感じでスイムを終えることができた。トランジションも落ち着いてじっくりと行い次のバイクへ。

バイク

いつもトライアスロンの時に1番不安に感じるのはスイム。それも無事に切り抜けることができ、これからは楽しい佐渡1周ライド。沿道からはたくさんの声援。バイクは最大心拍数の75%を目安に走ることにしていた。最大心拍数が185なので140くらい。ツール・ド・おきなわの時は162だったことを考えるとかなり楽。これぐらいの方が最後のランを考えると良いと思ったし、どうせなのでサイクリング気分で行こうという割り切りもあった。パワーもスピードも、時間すらも不要なのでサイコンも外して走る。特に意識したのは高ケイデンスで走ること。徹底して踏み込まずにランの脚を残すようにする。これはこの前の乗鞍と上高地で試して上手くいってるのでそれなりに信頼できるやり方。補給食はザバスのゼリー5つとカロリーメイト5袋(実際に使ったのは3つと4袋)。ボトル2本には粉飴とクエン酸とマグオンを溶かしてある。本番では実績のあるものしか使わない方がいい。こまめに補給しながら走っていると少し眠くなってきた。考えられるのは寝不足と胃に負担が掛かってること。補給をしばらくやめて走ってもあまり変わらず。エイドでコーラをもらって飲んだら目が覚めてきた。エイドはほとんど利用。途中、おにぎりもあったので頂く。美味い。

f:id:ogawork123:20170908011947j:image

f:id:ogawork123:20170908012006j:image

途中で雨に降られたりもしながら、上りの要所、Z坂と小木の坂を越えてトランジションへと戻ってきた。鮮明に覚えているのは左手に見える日本海、黄金色に輝く稲穂、そして沿道の応援。

ラン

準備を整えいざフルマラソンへ。バイクの疲れの影響はほとんどなし、作戦が成功したようだ。ただ、想定外のトラブルも。それは途中で雨が降ったおかげで靴下が濡れてしまったこと。この状態で走るとなると豆のできるリスクが増える。しかし替えの靴下なんてないし、脱いで走ると靴のメッシュ素材で足の甲がヤスリがけされてしまう。もうこのまま走るしかないのは間違いない。走り出してしばらくすると案の定足の裏に違和感が出始めた。付け焼き刃の対策ではあるけどなるべく角度をつけないよう踵から着地を心掛ける。この方が脚への負担も減りそうな気がするし長い距離を走るには理に適っているのかもしれない。あとは曲がる時に負担が掛かりやすかったのでペースを落とすようにした。ランのエイドはバイクよりも色々なものがあって毎回楽しみだった。オレンジにスイカ、おにぎりや味噌汁まで。寄らなかったエイドはなかったと言っても過言ではない。水分もしっかり摂るようにした。1周回をする時には仲間が待っていてくれた。力をもらって残り半分に臨む。ここまでは良いペースで走れている。しかし、ここからが本当の本番だと思っていた。残りの距離を走り切れるかどうかで結果は大きく変わる。30kmを超えると段々と脚が重くなりペースも落ちてきた。駄目元でエイドに置いてあるコールドスプレーを使う。ブラセポ効果かもしれないけど脚が軽くなってペースを少し戻せた。スタートした時は朝だったけど今はもう夕方。夕日が綺麗に辺りを染める。ゴールが近づくにつれ空は暗くなっていく。前の参加者が「あっ、トキがいる!」と川岸を見ながら言っていたので目をやると確かにトキっぽいのがいた。その後、その参加者がスタッフの方に「あれ、トキですよね?」と聞いていた。答えは「サギです!」だったけど「暗くてよくわからないけど」とも言ってたので真相はよくわからない。しばらく暗がりの道を走り最後の商店街まで戻ってくると、たくさんの明かりと人が。ここまで来ればあと少し。もう終わってしまうと思うと少し寂しいような気もするけど物事はどこかで終わらせなければならない。一際明るいゴールライン。長いようで短い旅はこれで終わり。

f:id:ogawork123:20170908012339j:image

佐渡国トライアスロンAタイプリザルト・・・12時間52分14秒(スイム 1時間28分35秒 355位、バイク 6時間42分59秒 145位、ラン 4時間40分40秒 328位)、総合192/958、年代別13位

13時間も切れ、補給も上手くいき、ランも歩かず、悔いのないレースができました。準備が十分にできない状況で臨んだ面もありますが、やれるだけのことはやれました。とは言ってもたくさんの人達の応援やアドバイスのおかげでなので運が良かっただけです。アイアンマンの時とは違ってたくさんの仲間との遠征となり、充実の佐渡ツアーとなりました。大会は来年30周年を迎えるとのことで運営の成熟度、スタッフの皆さんのチームワーク、地域の皆さんのご理解や包容力、とにかく総合力が本当に凄いです。素晴らしい大会に参加させて頂き、ありがとうございました。 

以上です。